大阪公立大学農学部准教授 青野 靖之氏の研究によれば、日記は貴重な情報源として活用され、古気候の復元において重要な知見を提供します。
(お写真は、大阪公立大学の研究者紹介よりの拝借)
気候変動の復元
日記には、過去の気候変動に関する詳細な記録が残されています。青野氏はこの情報を古気候の復元に活用し、過去の気候パターンや変動の周期性について研究されています。
明月記の分析
明月記は鎌倉時代の公家である藤原定家の日記で、1180年~1235年の56年間にわたる克明な記録です。そこにあるヤマザクラの満開日について分析すると、現行歴では 4月 12 日にあたります。ヤマザクラは近畿で一般的な自生種で、当時の気温の復元に非常に適していると思われます。またその他にも「伊藤仁斎日記」「頼静子日記」なども紐解いて古気候の復元を研究されています。
異常気象と飢饉:
日記には過去の異常気象や飢饉に関する記述が残りやすいく、例えば、江戸の三大飢饉については次のような記録があります。
・享保大飢饉(1732 年)天候不順、大規模虫害(ウンカ)
・天明大飢饉(1783 年)長雨、冷夏、浅間山の噴火と降灰
・天保大飢饉(1830 年)冷夏、米価の高騰
こうした災害では多数の餓死者や病死者を出し、これによりより政変がおこり歴史が変ったと見られる。
興味深い話では、室町時代に京都近郊で大規模な 土一揆がおこり、幕府は一揆勢が要求していた徳政令(借金の棒引き)の発布に追い込まれる。これはバヌアツ共和国にあるクワエ火山の大噴火で 寒冷化が長期化し飢饉を招いた。これは後に政変へと繋がって行く。
太陽活動:
太陽活動は地球の気候に影響を与える要素の一つです。これと京都の気温の復元とを照らし合わせると、太陽の黒点数と同期した復元気温の推移がみられ、解析の結果、およそ15年の遅れを考慮すると、気温と黒点周期の長さの相関が極めて高いとのことです。
青野氏の研究では、日記から得られるこれらの情報を組み合わせ、過去の気候変動を復元し、現在の気候変動の理解を深めています。
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文献資料を用いた気候の復元
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